Quantcast
Channel: 京都のまつ
Viewing all 76 articles
Browse latest View live

Y.U邸オーディオルーム

$
0
0
イメージ 1
Y.U氏は、小生のオーディオライフを通した最も古い友人で、かれこれ40年を超える交流になる。
彼の本格的なオーディオライフは、小生が音楽好きの彼をオーディオ道に引きずり込んだことに始まるといってもよい。
知り合った頃、小生はJBL L200JBLサウンドに魅了されていたが、Y.U氏はクラッシクファンで当時、パイオニアの真空管アンプのステレオを聴いておられたと記憶しているのだが、拙宅でこんな音楽が聴けるのなら、いくらお金をかけても惜しくないと言って、早速に当時TANNOYの入門機定番であったレキュタンギュラーヨークを購入され、その2年後には、早くもGRFにグレードアップされた。
レコードプレーヤーもSONYから、DENONのターンテーブルを特注のキャビネットにSPU-GTをオルトフォンのロングアームに装着し、重厚でしなやかな弦のシンフォニーの響きを奏でていたことを今でも思い出す。
 
その頃、小生のJBL-L200はクラシックがうまく鳴らない中で、神がかり的に弦楽器が美しく鳴るTANNOYサウンドに魅せられていたこともあり、彼がGRFへグレードアップされたのを機に、レキュタンギュラーヨークを譲ってもらい、小生のオーディオルームのフロントにはJBL L200、リアにはTANNOYレキュタンギュラーヨークを配置して聴き始めた。
同一ルームにスピーカーシステムが同居していると、ついつい聴き比べたくなるのが人情で、JBLTANNOYのある意味、個性が正反対のスピーカーで良く聴き比べをしたものだった。
JBLで聴くバイオリンは金属的な音色で、TANNOYで聴くジャズは教会でジャズ演奏を聴いている感じなので、しばらく聴いているうちに、小生がそれぞれのスピーカーの個性を楽しむことができない性分であることもあって、その頃からどのジャンルも忠実に再生できる原音再生を目指してJBL-4350WXAを導入するきっかけになっていった。
 
Y.U氏はその後、GRFのエッジの劣化から新たに発表された、カンタベリー15を購入され、オーディオルームも転宅や音楽喫茶の開店など、転々とされたが後、このたび隣家に新たなオーディオ専用室を作られた。
イメージ 2
 
新たに新築されたオーディオルームは、カイザーサウンドの監修を受けて作られたようで、その経緯がカイザーサウンドのサイトにも紹介されている。
 
新しい部屋は、長年連れ添ったカンタベリーを主役として引き立たせる出来栄えになっており、数々のオーディルームを見てきたが、ビジュアル的にも音楽を心地よく聴くにふさわしいリスニング環境に仕上がっている。
部屋の響きも、以前は2階にあって床の共振音を感じたが、それも解消しスッキリとした音場空間を感じる。
Y.U氏はSPも含めたレコード再生に主軸をおかれていることもあって、Zanden  http://www.zandenaudio.com/jp/company.php
の年代違いによる適正イコライザーカーブが選択できる真空管プリアンプを導入されている。
さらに今後、Zanden300Bを使ったパワーアンプの1号機も発注されているようで、導入の暁にはさらなる管球アンプの魅力あるサウンドが聴けるものと期待している。
 
レコードファンであることから、ドイツ製ハンルのバキューム式レコードクリーナーを持っておられるので、持参したLPをクリーニングしてもらったのだが、小生が自己流でやっている極細歯ブラシによるクリーニングではとても取り除けないスクラッチノイズもスッキリと除去されており、さすがに高価なクリーナーだけことはあると感心させられた。
 
イメージ 3
 
小生はワイドレンジでメリハリのあるサウンドが好みで、再生系も積極的にデジタル・デバイスを追っかけているが、Y.U氏は蓄音機のSPサウンドに熱中されるなど、アナログ指向が強く、鈍感な小生にはその効果がよくわからないローゼンクランツのアクセサリー
にも相当投資をされるなど、原音再生というよりも、演奏の雰囲気を重視されるタイプで、小生とは随分とオーディオの方向性も違っている部分もあり、長い付き合いの中でよくオーディオ談義をしたものだが、この談義を聞いていた愛娘に「また、二人の不毛な議論が始まった」とよく揶揄されたことを思い出す。
 
オーディオに対するアプローチの違いはあるもの、ともにオーディオを通して音楽の感動を求めて今日まで過ごしてきた、いわば戦友である。
昨今、従前のアナログを凌ぐデジタル・ハイレゾ音源が本格的に到来する時代になってきたが、どちらかというとデジタル指向を積極的には好まないY.U氏の今後の取組みにも気になるところではあるが、今後共、オーディオを通してさらなる感動を求めて交流してきたいと願っている。

オーディオの断捨離

$
0
0
定年後の定番ともいえる取り組みの一環として、永年手がかけられなかった様々な整理を始めてから、概ね5ヶ月が経過してようとしている。
かなり時間をかけたつもりだが、3割程度の進捗という状況であろうか。
 
不要な物品は、廃棄してしまえばそれまでなのだが、モノによっては再利用できるものやビンテージ物として価値がある物もあるので、極力オークションに出品し、落札されなかったものを廃棄することにした。
 オークションに出品して驚いた物品は、約30年以上前に購入し、当時は多忙で製作のタイミングを逸した金田式のアンプの部品群だった。
 電子部品のパーツボックスには、結構な電子部品がねむっていた。主にDCアンプが登場しはじめた頃のビンテージな部品ではあるが、ススムブランドの金属皮膜抵抗や双信電機のディップマイカ、ソリトロン製のデュアルFETなど、金田式DCアンプのこだわりの部品群で、保守部品としての用途があるのではないかと出品したが、当時の購入費用くらいの値がついて落札されたのには、改めて金田式アンプの人気の高さに感心をさせられる結果となった。
 
イメージ 1
 
イメージ 2
真空管も180本くらい所有していたが、テレビ関連の球が多かったので処分も考えたが、オークションで引き取られていった。
 
イメージ 3
 
イメージ 4
 
古いメディアや機器の整理も進めているが、その中でも30数年放置してきたSONYのオープンリールデッキ「TC-9400A」だ。
コンパクトで高性能な3モーターのデッキで、湿度コントロールされてきたオーディオルームで保管してきたこともあり、若干のガリは出るものの、正常に動作するので出品することにした。
 しかし、出品に当たり、このデッキで録音されたLP盤のアルバムや子供たちが3、4歳の幼い頃の誕生日パーティーの肉声が相当本数のテープに残されており、これらをテープ1本1本確認しながら残すべき肉声を懐かしい思いをしながらDACでデジタル変換した。
この作業には相当な時間を要したが、この作業を経てようやくデッキも磁気テープもオークションに出品できた。
このデッキをオークションで落札された方は、元SONYでこのデッキのメンテナンスをされていた方で、後日メンテをし、e-onkyoのハイレゾ音源を録音されて改めて音の良さに感動されようで、程度のよいデッキを譲っていただいたと、わざわざ電話で感謝の連絡を頂いた。
 
イメージ 5
 
イメージ 6
 
 デジタル技術の進化に伴い、オーディオ機器とメディアは年度も形態を変えてきたけれど、それに伴って古いメディアに残された音楽・映像資産を次世代へ継承するには相当な労力を必要とする。
まさにサンデー毎日の余りある時間をかけないとできない作業であると実感した。
 
 このメディアの変遷に伴い、SP,LPレコードの音楽資産やVHSのビデオテープの映像資産が相当にあるが、とりわけ、ハイレゾ音源や4Kが一般化していくであろう中で、今後その取扱いにも悩むところである。
そのなかでも、とりわけアナログ・レコードの取り扱いである。とりあえず、縮小の方向であるが、まずは手持ちの古いカートリッジをオークションに出品することにした。
古いカートリッジの動作確認を兼ねて久々にレコードを聴いたのだが、素晴らしいサウンドを聴かせてくれるので、思わず出品を取りやめようかと思うくらいの心境にさせられたが、思い切ってメディアやオーディオ機器の世代交代を進めていく方針で臨むことにした。
 
イメージ 7
 

AVアンプとユニバーサルプレーヤーの更改

$
0
0
2年前にフロントのマルチアンプ・システムが安定してきたので、本格的なサラウンド・システムを構築すべくパイオニアのプレステージ・AVアンプである「SC-LX85」と、当時まだ新鋭のユニバーサルプレーヤーとして日本上陸した「OPPOBDP-93NE(NuForce Xtreme Edition」で構築した。
イメージ 1
 
  あれから、わずか2年半程度の時間しか経過していないのであるが、ハイレゾ音源やデジタル処理の環境は、かなりの変化を遂げた。
 OPPOを購入した時は、それほど気にはならなかったのだが、2年経ってUSBやDLNA経由でハイレゾ音源を使う頻度が多くなったことが、一気に「BDP-93NE」の日本語機能の貧弱さを露呈することになった。
 USBメモリーやDLNAサーバーに保存した日本語のフォルダ名やファイル名がほとんど読めないケース目立ってきたので、やむなくプレーヤーを変更することにした。
 日本語機能を強化したOPPOの最新機種も検討したのだが、まだ対応されていない部分(CPRM対応のBluray-Discindex表示)があり、迷っているところへパイオニアから、まさにOPPO追撃とも思えるユニバーサルプレーヤーが発売することになった。
 
 「BDP-LX88」がhttp://pioneer.jp/av_pc/bdp/hg_blu-ray/bdp-lx88/そのプレーヤーであるが、今月末の発売ということで、実際の評価は不明ではあるが、試作機の評価も上々なのと、その機能と諸元を評価してAVアンプとセットで更新することにした。
 ユニバーサルプレーヤーは、AVアンプにHDMI接続で使うので、ジッターを軽減する機能を搭載した同一メーカーがいいだろうとの思いもあった。
 
 AVアンプのバージョンも「LX-85」から「LX-88」と3バージョンも上がったが、「SC-LX88」は、DSDの5.6MHzのネイティブ再生も可能にするなど、192kHz32Bitのアップサンプリングの再生もサポートしている。
イメージ 2
 
映像も4Kパススルー対応、サラウンドは「DolbyAtoms」と、わずか2年半でかなりデジタル環境が変わってしまった。
 アンプ自身が、アシンクロナスのUSBDACとして機能するうえ、アンプのコントロールもiPhoneのアプリで自由自在にコントロールできてしまう。AirPlayもサポートしている。
 
イメージ 3
 
イメージ 4
 
  わずか2年半であるが、いつぞやのPCと同様に、最新のDACチップのバージョンアップによって機器の更改がされていく。
 ユーザーが必要とするか否かは別次元で、メーカー間のコストパフォーマンス競争によって技術者も大変だと思うくらいの多機能な仕様になっている。
 DAC性能のレベルアップに伴い、デジタル音源もますますサンプリング周波数のハイサンプリング化やハイビット化が進み、正直うんざりする向きもあるが、従来の20,000Hzを上限としたCD基準のデジタル音源の壁はなくなり、アナログ・オーディオ時代の物理的な容量をはるかに凌駕することになる。
 ただ、音楽を収納する器は大きくなれど、現状ではハードウェア先行の感も否めない。
 
 今後、オーディオ史において最後の円盤型メディアになると思われるCD等の光学メディアの再生以外は、全てDACやAVアンプで事足りる時代がそこまで来ている。この展開からすると今後、音楽専用のプレーヤーも急速に終焉に向かうかもしれない。

毎年、恒例のオーディオショー

$
0
0
今年も「大阪ハイエンド・オーディオショー2014」と「オーディオセッション」に行ってきた。
新しいスピーカーと試聴で紹介される優秀録音盤との出会いを期待して毎回参加している。
 
 今年、注目したスピーカーは3機種で、1台は、既に良く知られている「マジコQ3」で、アキュフェーズのブースで2日間にわたって聴いた。
2台目は、この4月に日本に入ってきた「Wilson-AudioSasha Series2」をAXISSのブースで聴いた。
もう一台は、オーディオセッションの「SPEC」のブースで使われていたスウェーデンの「amphion」というトールボーイ型のスピーカーだ。
 
「マジコQ3」以外のマジコの製品については、短時間であるが試聴したことがあるが、試聴環境が悪かったこともあってか、今一つ良い印象がなかったが、今回ようやく、このメーカーのサウンドをまともに聴くことができた。
予想どおりのハイスピードな反応のスピーカーであるが、やはり中高域はベリリューム・ツィータの響きが支配している印象で、場面によってはベリリューム独特の響きも感じる。
中低域は、金属エンクロージャーというより、密閉型の締まった低音を聴かせるが、もう少し下の音域を聴かせて欲しい気もする。
この暴れのない低音がこのスピーカーの特長でもあろう。まさしくハイエンドスピーカーの象徴的サウンドという印象といった感であるが、TADと同じような神経質さも感じる。
Wilson-AudioSasha Series2は、一見してWilsonAudioの伝統的なエンクロージャーの形状に見えるが、サイズや内部処理も変更されているようである。
イメージ 1
 
しかし、そのサウンドは素晴らしいバランスで、かなりの時間聴き入ってしまった。色んなジャンルの演奏を聴いたが、マジコのハイエンドらしいサウンドと違って、中高域にも厚みのある、実に音楽的に充実したクセのない音である。
従来のツィーターは、Focalのジュラルミン製の逆ドーム型のツィーターを永らく使ってきたが、ここへきてシルクドーム型を採用したことにも驚くが、金属振動板はどうしても金属特有のカラーリングが無視できないことからWilsonAudioがソフトドームを使うことを決断したことはよく理解できるし、その成果が結実しているように思う。
ただ、このシルクドーム・ツィーターのクロスオーバーが1.2kHzと予想外に低い値に設定されているところにバランスの良さの秘訣があるのかもしれない。
音楽を聴くための道具としては、明らかに「マジコQ3」の次元を超えた完成度を持っていると感じた。
 
 今回の試聴の中で、小生が永年入手に腐心していた「崎川晶子」のチェンバロ・アルバムが発売されていることを知った。このアルバムは、関西のワオンレコードのアルバムで、弱小レーベルであるが故に、なかなか入手ができなかった。
このアルバムは、バロック時代のチェンバロ曲とは違い、上畑正和氏の作品による現代的な演奏で、オーディオ的にも素晴らしいチェンバロの響きを堪能することができる。
早速、このアルバムを購入して自宅で聴いたが、アキュフェーズの「マジコQ3」で聴いた印象を上回るすばらしい臨場感で聴くことができた。
最後のスピーカーであるスウェーデンの「amphion」は、「SPEC」がヨローッパでの発表会でコンビを組んだメーカーで、ツィーターをよく観察すると、オーシャンウェイの Montecito等に使われているツイーターのメーカーのように思われる。過去の試聴会で、オーシャンウェイの高域の音楽的な素晴らしさが気になっていて、どこ製のユニットなのか気になっていたツィーターだ。
 中型のトールボーイでありながら、低域もこのサイズとは思えない程伸びている。
イメージ 2
 
今回の3機種とも、優れた中高域のユニットが搭載されており、今更ながら、優秀なユニットが音楽的にも優れたスピーカーの大きな決め手になることを改めて確信する結果となった。
 
また、今回から急速にNASに収められたハイレゾ音源が使われ始めたことから、気に入ったアルバムの詳細情報が把握できなくなるケースが少なからずあり、これは、もう一つの目的である優秀録音盤情報の入手に大きな壁が出てきたことが残念な一面であった。
イメージ 3

ユニバーサル・プレーヤーの更新

$
0
0
  ネットワーク機能を持つ新世代のユニバーサル・プレーヤーについては、米国製のOPPOがコストパフォーマンスの高い評価を得てシェアーを伸ばしているが、ようやく国内メーカーのパイオニアがOPPOに対抗できる高性能ユニバーサル・プレーヤーを発表した。
その旗艦モデルともいえる「BDP-LX88」が、今まで使っていた「OPPO-BDP93NE」と入れ替えに我オーディオルームに設置されてから、おおむね1週間が経過した。
 
イメージ 1
 
 パイオニアにとっては、6年ぶりの入魂の旗艦モデルということであるが、電源ケーブルもメインの「DP-900」に近い太いもので、筐体もしっかりしており、ドライブメカの動作もOPPOの作りと違い、価格以上の高級感がある。
 
 早速、機能確認に入ったのだが、単純なCDプレーヤーの動作確認とは違い、音声系だけでもCD,SACD,SACD-Multi,DVD,DVD-Audio,USBメモリー,NASに接続された音源サーバーからの各種ハイレゾ音源の再生と、かなりのバリエーションの機能を確認する必要があった。
さらに、先日、導入したフラグシップのAVアンプ「SC-LX88」もESSの最新DACを搭載し、最大192kHz/32bitまでのUSB-DACとしても機能するなど、ネットワーク関連の機能ではかなり重複した機能があるので、どのような再生環境にするのがベストなのか、様々なシステム構成にして試聴を繰り返した。
 
 今回のユニバーサル・プレーヤーとAVアンプ更新に伴い、従来のシステム構成では再生できなかった、e-onkyoから入手した192kHz/24bitなどのハイレゾ音源をPCUSB経由とネットワークプレーヤーのNAS経由による両方のダイレクト再生をDDCDACの両方を使って、直接アキュフェーズのデジチャン「DF-55」に接続する方法で評価を行った。
 
イメージ 2
 
イメージ 3
 
イメージ 4
 
 今まで、アキュフェーズの「DP-900」からデジタル・プリアンプ「DC-330」を経由してすべてHs-Linkで「DF-55」へ接続していたが、時代の潮流もハイレゾ音源へシフトし始めたことを踏まえ、192kHz/24bitの入力が可能な「DF-55」へ直接、DDCDACを経由して入力する方法で、サウンドの評価を行った。
イメージ 5
 
 デジタル音源は、NASDSPの進展により、様々な再生方法が可能な時代に入ってきたと共に、コストダウンもかなり進んできたので、ローコストでありながら、従来では考えられなかった高音質な機材も出てきているので、デジタル関連の知識を駆使しながら、いよいよ本格的にCDプレーヤー1辺倒の再生環境から新世代の再生環境を構築すべく試聴を重ね、現状でベストな環境を再構築したいと思っている。

ネットワーク・オーディオ 本格始動

$
0
0
  拙宅では、マルチアンプ・システムの構築当初から、CDプレーヤーから、プリアンプ、チャンデバまでがフルデジタル処理であることもあって、デジタル音源からの音楽再生についても、結構早い時期から様々な試行をしていた。
ただ、PCオーディオは、初期の頃はiTunesをスマートフォンからリーモート・アプリで試行していたが、静寂なオーディオルームにおけるPCのファンノイズが気になるのと、フルデジタル・システムへの接続するのにUSB-DACで一旦アナログに戻してから接続することにも抵抗があった。
さらにアナログに戻して接続するのではなく、DDC経由でデジタルのままで接続デジチャンに直接接続して試聴も繰り返したのだが、結局、アキュフェーズの「DP-900」によるCDの光学的な読み取りから再生されるサウンドレベルを凌駕できなかったことが、最近までネットワーク・オーディオ等にも本腰を入れる気にならなかったことが背景にある。
 
最近、ユニバーサル・プレーヤーやAVアンプの更改を機に、ネットワーク音源からの試聴を繰り返す中で、再生機材のレベルアップや伝送方法・接続ケーブルの見直しを行ったこともあって、徐々にDP-900からの再生レベルにかなり近づいてきた。そう遠くない時期に追い越すであろう。
 
音源のハイレゾ化の進展によって、今後ますます、従来のCDプレーヤーだけでは再生できない音源が出てくるわけで、この際、すべてのCDをリッピングしてデジタルデータとしてNASへ保存し、ネットワーク・オーディオを通して音楽再生をすべく、本格的に取り組むことにした。
この取り組みは、既に多くの諸兄が取り組まれているところであるが、単にCDをリッピングするのではなく、アルバムアートも含めたアルバム管理を徹底する方針で臨むことにした。
 
今までも数十枚程度のCDリッピング・データやDVDで提供された音源がNASに保存されていたが、ファイル形式がバラバラで、アルバム管理もiTunes任せになっていた。
本格的移行をやるからには、アートワークも含めてアルバム管理を徹底したいが、そのためには、音源ファイルの形式統一やNASの再構築、再生コントロール・アプリの選定、再生機材のラインナップなど、結構、詰めなければならないテーマが出てきた。
 
様々な試行・評価の結果、ファイル形式はアートワーク等のタグ付け可能で、可逆圧縮方式で音質劣化のない「FLAC」に統一することとし、コントロール・アプリはLINNが提供する「Kinsky」を使うことにした。また、音源の保管用NASはDSDの配信も可能なLink-StationLS-421D」を新たに調達した。また、CDのリッピングソフトについては、Media-Monkeyを使うことにした。
 
イメージ 1
 
イメージ 2
 
イメージ 3
 
イメージ 4
 
移行を初めてからまだ日が浅いが、アルバムのデータベースが取れないことも少なくないことや、アートワークもサイトから調達できるものは画像サイズが小さいので、この際、CDジャケットはスキャナで取り込み、アートワークのタグ付けを徹底することとした。
 
この作業には、富士通のスキャナ「ScanSnap」にて撮影しているが、このスキャナは、写真のデジタル化のために購入したのだが、通常はA3サイズのスキャナでも取り込めないLPジャケットや雑誌も見開きのままスキャンできる上、写真やCDジャケットを複数枚、一度に読み込んだ後、一枚ずつの画像の切り出しや、傾き補正の作業を自動でやってくれるので大変重宝している。
 
アルバムアートのタグ付けを徹底することで、永年、ジャッケト・イメージで選曲をしてきた習性もあるので、PCの画面をマウスでクリックする選曲するのとは違い、充実感をもてるようになった。
 
イメージ 5
 
イメージ 6
 
今後もデジタル音源のファイル形式やデジタル化の手段は、以前にも増して進化し、それに伴いデジタル機器や関連ソフトも目まぐるしく入れ替わり、様々なスタイルのオーディオ環境が乱立しそうな予感を感じるが、古典的なアナログ・オーディオの技術に加え、ますます情報機器やデジタル処理技術の知識が不可欠になることだけは間違いないだろう。

選手交代

$
0
0
  昨年の暮れ、パイオニアが7年ぶりに旗艦のブルーレイディスクプレーヤーを発表したので、それまで使っていたOPPOのユニバーサルプレーヤー(BDP-93 NuForce Xtreme Edition)から、パイオニアのBDP-LX88に更新したことは、すでにブログ掲載をしたところである。
大いなる期待を持って導入したBDP-LX88であったが、結果として1ヶ月も経たないうちに、再びOPPOのプレーヤーへ選手交代という事態になった。
 
パイオニアの最新旗艦プレーヤーの発表時点で、既にOPPOは日本語機能を強化したモデルが発表されていたので、当然に後発のメーカーのパイオニアとしては競合相手を追撃すべく、製品仕様を詰めているものと期待を膨らましてきた。
パイオニアのBDP-LX88を導入後、重量級のしっかりした躯体で、好感をもっていたものの、使い込むにつれて、次々と期待を裏切る事象が出始めた。
イメージ 1

国産のこの種の機器のコントロールソフトは、Window-Mobileを使うことが少なくないが、その為なのかどうか不明だが、とにかく反応が遅いうえに操作の使い勝手がよくない。
反応が遅いことが原因で、ボタンを何度も押すことになり、挙句の果てはハングアップしてしまうこともしばしば。
ネットワーク音楽プレーヤーとしての機能に問題はなかったが、デジタル出力をDDC経由で接続すると、不定期だがジジというノイズが発生し、その原因追及に随分時間をかけたのだが、原因がわからず、当初は個体の初期不良や機器間の相性かと疑ったもの、結局、製品の問題というということになった。
ネットワーク経由の動画再生についても、再生可能なファイル形式がOPPOの半分程度で、サーバーに保管していたハイビジョン映像も再生できなくなってしまった。 
結果として、返品という事態になり、結局OPPOの旗艦プレーヤーであるBDP-105DJPに変更することになったのである。
イメージ 2
 
BDP-105DJPを使い出して、レスポンスの速さに加え、以前使っていた共通の操作感覚もあって、使いやすいなかにも、以前の製品から進歩している点に気付きはじめた。
カタログには、ネットワークプレーヤーとしての機能紹介はあまりなかったが、かなり使いやすく、また最近リリースされたスマホのコントロールアプリもリモコンが不要なくらいに使いやすい。
イメージ 3
 
進歩した点で感心したのはCDプレーヤー機能で、パイオニアBDP-LX88ではディスプレイにトラック番号等が一行表示されるだけだが、BDP-105DJPでは、インターネット上のデーターベースからアートワークを検索してディスプレイに表示し、曲名などネットワークプレーヤーさながらにアルバムの詳細を表示したのには驚いた。
さらに使い込んでいくと、音質面においても以前のBDP-93 NuForce Xtreme Editionから、デバイスが高速化したこともあって、かなり音の鮮度が良くなっており、拙宅のメインプレーヤーであるアキュフェーズのDP-900を追い越した感すらある。
 
やはり、デジタルオーディオ機器はDSPデバイスの進化によって、確実にレベルアップしてきており、いくら筐体やドライブメカに物量を投じても、DSPデバイスの高速化に一日の長があると思われる。
 
そもそもOPPOが急速にシェアを伸ばしてきた背景には、高度なDSPディバイスを使いこなせる技術集団の存在がある。
DACの設計を得意としていたNuforceOPPOに合流したとの情報もあって、トップレベルのデジタル技術集団が、この製品を生み出したといえる。
益々高度化する集積回路の使いこなしには、かなりのスキルが要求されるが、まさにその技術レベルの差が、今回の選手交代という結果になったといってよい。
 
小生としては、国産勢にも頑張ってほしいが、正直言って鳴り物入りで発表した製品にしては、あまりにも競合相手の製品の分析不足で、歴然たる技術レベルの差を目の当たりにして、愕然とせざるを得ない結果となった。
 
これからも、まだまだデジタルオーディオの進化がみられると思うが、従来のような重量主義の製品は高度なデジタル技術の進化の前には通用しないことを念頭に置いて、これからのシステムを再構成していきたいと思っている。

ビンテージなハイエンド・システム

$
0
0

今年に入ってから数軒のビンテージ・オーディオユーザー宅を訪問させていただいた。

ビンテージ・オーディオは往年の名機といわれるシステムであるが、一言でいってもその年代にはかなりの幅がある。
小生が今まで聴いてきたビンテージ・オーディオは、当時のハイエンド・オーディオとして、それぞれの製品が誕生した時代のソースを、あくまで当時の雰囲気で最高に鳴らす域にとどまっていたように感じてきた。
 
しかし今回、訪問させていただいたオーディオファイルは、いずれもビンテージ・オーディオを使われているの、目指されているサウンドも、出てくるサウンドも、現代のハイエンド・スピーカーをも凌駕するレベルのサウンドであるのには正直、驚かされた。
 
拙宅に何度も来られているHYさんは、永年Wilson AudioSystem5を使われていたのが、昨年になってTANNOYMonitor Gold入りのGRFに変更された。
イメージ 1

イメージ 2

正直、なんで今更タンノイGRFかと思っていたのであるが、ようやくHY邸を訪問させていただき、そのサウンドを聴かせてもらって、その理由に納得せざるを得なかった。
GRFのエンクロジャー特有の低域を感じるものの、オーディオマニアの間でもうまく鳴らすのが難しいアルバムでも、しっかりその魅力を聴かせてくれるのである。
セッティングやルームチューニングも色々と試されたようで、センタリングも見事に決まっていた。
 
小生もK3808ユニットのオートグラフを使っていた時代があるが、もちろん往年の名機としてのサウンドの魅力を出しつつも、うまく鳴らないアルバムにぶつかると、このスピーカーはここまでが限界と思って聴いてきたように思うが、とことんそのスピーカーのもつポテンシャルを引き出そうとされるHYさんの情熱にも感心をさせられた。
 
HY邸の帰路、2度目になるゴン蔵邸を訪問させていただいた。
ウエスタンエレクトリックの巨大な15Aホーンの後ろには、ビクターの励磁ウーファーも含めて4発のこれまた巨大なバックロードホーンが置かれており、15Aホーンの中にLondon WEのマルチセルラホーンという構成であった。半年前に訪問した時は、確か高域はJBL075を使われていた。
イメージ 3

早速に手持ちのアルバムを聴かせていただいたが、励磁ドライバーならではの強烈なインパクトでサウンドを聴かせる。
初めて訪問させていただいたときに聴かせていただいた、Helge Lien TrioTake-Fiveが強烈なインパクトで再生されたのが印象的で、拙宅でもそのアルバムを購入して再生をしたが、そのアルバムの聴きどころは、インパクト不足のさえないサウンドであった。
イメージ 4

WEに魅せられたオーディオファイルはこのサウンドが堪らないのだろうと思わせるサウンドだ。
当時は強力なマグネットがなかったことから、励磁型のユニットが使われているが、これが大変反応の早いサウンドを再生する。
ビンテージな機材であるが故に、近代の高音質なソースでは、より鮮明にその良さを表現するように思う。またクラシックも装置の規模が大きいこともあってか、スケールの大きなサウンドを聴かせてくれる。
 
後日、訪問させていただいたO氏邸はビンテージとまではいかないが、TANNOYWestminster Royalを真空管のOTLアンプでドライブされている。
自宅とは別に、茅葺の古民家をリニューアルされたオーディオルームである。
イメージ 5

Westminster Royalは、大阪の共電社にてCD持参で何回か聴かせてもらったことがあり、TANNOYでありながら、どんなジャンルもこなすスピーカーであることは承知していた。
 
O氏邸の本機も、その評価の延長線上にあるサウンドをさらに抜けの良くしたサウンドで、ジャズも結構いけるという域を超えて、大変のりのよい本格的なジャズ・サウンドを聴かせてくれる。
同行していたRayさんが、かなりパッシブなアルバムを持参されていて、聴かせていただいたが、充分にインパクトのあるサウンドも堪能させてくれる。
イメージ 6
 
今回聴かせていただいたビンテージ・オーディオの魅力は、ドライブされているアンプによるところも少なくないと思うものの、共通して感じるのは、近年の低能率のスピーカーとは違い、真空管アンプでも充分にドライブできる高能率なスピーカー特有の元気で明るい抜けの良いサウンドをベースとして、さらに追い込んで行けば、ここまでハイエンドなサウンドを聴けるということだろう。
 
訪問で出会ったいくつかのアルバムを調達して、拙宅でも聴いてみたが、あのアルバムの良さを充分に表現しきれないことから、聴かせていただいたサウンドの印象をもとに、拙宅のAdvanced 4350Aでも再現すべく、根本的にサウンド・バランスを見直すべく再調整することにした。

音響計測の巨匠来訪

$
0
0
  ビンテージ・オーディオのハイエンド・サウンドに触発されて、しばらく落ち着いていたマルチアンプの生命線ともいうべきデジチャンの再調整をすることにした。
 
この再調整を機会に石井伸一郎氏と高橋賢一氏の共著で改訂版「リスニングルームの音響学」に紹介されている音響計測ソフト「(輪郭)RINKAKU」を試してみることにした。
イメージ 1

このソフトは、マルチアンプの各音域の遅延状況をビジュアルに計測して表示するもので、その存在はかなり前から知っていたのだが、実際に試すのは今回が初めてであった。
 
小生のタイムアライメント調整は長年、吉正電子の「DSSF3」によるインパルス応答等を活用してきたが、今回試すことになった「RINKAKU」は、020kHzの範囲を1/16オクターブ毎に分割し、時間ごとのエネルギーを分析してその強さを色別に表示するソフトで、小生がやってきたクロスオーバー周波数のみの遅延分析方法とは大きく異なる。
 
実際に拙宅のマルチアンプ・システムを「RINKAKU」で計測をしてみると、タイムアライメントについては揃っている自信もあったので、期待通りの計測結果が表示されるものと思いきや、予想に反して結構まとまりのない画像を描画したのには正直ショックを受けた。
イメージ 2

この計測結果を得て、そこから「RINKAKU」との格闘が始まった。
 
高橋賢一氏の計測ソフトは、アンプへ送り込む信号のみではなく、計測用の基準信号として直接キャプチャーにも送り込む必要があることから、小生が今までやってきた測定環境を変更する必要があったので、計測方法や機材の環境が適切なのかどうか確信が持てなかったこともあって、開発者の高橋氏にメールで確認をしながら計測方法を改善していった。
 
計測環境の変更で、長年使ってきたアキュフェーズのデジチャンの基本操作を勘違いしていることも判明した。この確認のやり取りの過程でアキュフェーズのDFシリーズの開発者(高松氏)にもタイムアライメントの計測に関する様々な情報提供を頂くことになった。
 
小生もこのような音響計測ソフトにも関心があったので、石井氏には高橋氏を紹介してほしいとの意向を伝えていたが、先日機会があって、急遽、石井氏が測定機材と高橋氏を同伴して拙宅へお越しいただけることになった。

「リスニングルームの音響学」の著者の巨匠が両名揃って訪問いただけることは滅多にないことで、記念写真と共に著書にご両名のサインも頂いた。
イメージ 3
 
拙宅で音響計測ソフトの開発経緯や開発環境、ご両人の関係など色々と貴重な話を伺った後、小生の計測結果の確認や両名で拙宅のシステムの音響計測をしていただき、その結果の評価をいただいた。
小生の計測環境や計測方法については、問題がないことが確認されたものの、「RINKAKU」で計測した再調整前のデジチャンの設定は、総合的なタイムアライメント揃っていないと言わざるを得ないことが判明した。
 
その原因はダブルウーファーの2Wayドライブによって、全体の遅延時間が大きく遅れていることが主たるもので、結果として「RINKAKU」の描画結果をまとまりのないものにしていた。
このダブルウーファーの分割駆動によって、システム全体の遅延時間が大きくなることは、DF-55が表示する理論値とインパルス応答による計測結果の乖離の状況から認識はしていた。
 
この問題を改善すべく、ここ数年間続けてきた38cmダブルウーファーの2Way駆動を完全なパラレル駆動に変更することにした。
 
パラレル駆動にして各音域のパワーバランスの調整方法やスピーカーの向きを変更するなどの総合的な見直しをすることにより、明らかにサウンドの次元がランクアップした。
イメージ 4
 
センタリングも以前よりも明確になり、ボーカルもより存在感が増すとともに、音像にも奥行き出て、ダブルウーファーのドライブ方法の変更にもかかわらず、中高域の輪郭とインパクトがより鮮明になった。
久々にお気に入りのアルバムを聴き直してみたいと思わせるレベルに変化したのには、まだまだ改善の余地があることを改めて認識させられた。
 
カットオフのスロープもここ数年間、ユニット間のサウンドの重なりの弊害を少なくするため、急峻な96dB/octにこだわってきたが「RINKAKU」の計測にて、急峻なフィルターがクロスオーバー付近では位相回転が大きいことが判明したので、今後、48dB/oct24dB/octなどのスロープも試してどのような印象の変化があるのか試行してみたいと思っている。

トリプル試聴会

$
0
0
この一か月ほどで国内メーカー3社の試聴会に参加した。
 
最初に参加したのは復活Technicsで、大阪の梅田に開発されたグランフロント大阪エリアの高層ビルの1階に開設された「パナソニックセンター大阪」の試聴室に行ってきた。
イメージ 4

インターネットで試聴予約をとり、数名同席の試聴かと思いきや、小生ひとりでの試聴で、じっくりと評価してもらおうという狙いのようである。
試聴したシステムは、復活Technicsとして開発された製品のReference Systemで、復活Technicsが、どのようなスペックの製品を発表されるのか興味を持っていたが、当然に最新技術を取り入れた最先端のスペックになっており、印象的であったのはCDプレーヤーが、オプション扱いになっていたことである。これはネットワークプレーヤー時代が到来したとの認識であろう。
 
スピーカーユニットは、最先端の素材の振動板・エッジ構造の自社開発ユニットである。
 アンプは、往年のTechnics時代の大型VUメーターを搭載したシルバーデザインの外観であるが、回路構成は新生代のデジタルアンプである。
やはり復活Technicsの技術陣はD級アンプを選択したのか、という思いもあったが、音量制御についてはD級のPWM変調回路の直前を制御する方法でPCMによるビット落ちの欠点を克服した仕様になっている点は大手メーカーらしい斬新な技術力を感じさせるものであった。
 
最初にシステムの説明と数曲のデモ曲を聴かせていただいた後、持参したアルバムを聴かせていただいたのだが、最近ハイエンドなサウンドに慣れてしまった耳には、残念ながらこれといったインパクトを感じることなく1時間の試聴時間を終えた。
 
 次に訪問したのは、三菱のダイアトーンに永年勤務された寺本氏が起業された、DAIASOUL http://diasoul.co.jp/jp/category/newsの試聴会である。
 このメーカーの設立に伴うイベントの開催は知らなかったのであるが、友人のTKさんから教えていただいて、ちょっと変わったスピーカーシステムであることと、ラスベガスでのCESで高い評価を受けたこともあって、遠方での開催であったが、試聴会に参加することにした。
 発表会の場所は、大阪の岸和田市にある「むくのきホール」という場所で、どうして国内最初のお披露目をローカルな場所で開催されるのだろうかと思いながら参加をした。
休日で1時間に一本しかバスが通らない場所で、このようなところにホールがあるのかと思わせる場所であったが、50名程入場できる個人が建設されたホールでのイベントであった。
イメージ 1

イメージ 2
 
このホールは、オーナーが庭園の景観を見えるようにしたいとの意向で、ホールの両サイドをガラス張りのされており、極めてライブなホールであるにも関わらず、かなりの音量で試聴曲を演奏されたこともあって、しばらく聴いているとうるさくて苦痛になってくる程で、遠路はるばる来たこともあって予定時間まで聴いていたのであるが、小生にこのイベントを教えていただいたTKさんは、3曲目で退場されたとのことであった。
音量を上げ過ぎたせいか、そのうちに音割れを起こす始末で、散々な試聴会であった。寺本氏にとっても国内初の重要な試聴会であったはずなのに、もっと周到に準備もされるべきであったのではないか。
 
3回目は、大阪ではたぶん4回目になるG.Tサウンドの試聴会である。今回は大阪・京都の知り合いの音には滅法うるさいオーディオファイル7名と共に参加をした。
イメージ 3

後藤さんのいつもの解説が始まって、持参のCDの演奏が始まったが、半端なメンバーではないので、途中退席をするのではないかと思っていたが案の定、短時間で退場したメンバーも少なくなかった。
 
国内メーカーの試聴会、どのシステムをとっても技術的にも半端ではないシステムなのであるが、耳が肥えたオーディオファイルを引き付ける音楽を聴かせられないのだろうと思ってしまう。
 
試聴会といっても、ホテルや会議室のような場所では、製品現物を見る機会で、サウンドの評価は期待できない側面もあるかもしれないが復活fTechnicsDIASOULでは、音楽専用の部屋であるにもかかわらず、音楽を聴かせることができないのが、現在の国産ハイエンドスピーカーメーカーの実力なのかもしれない。

LP ハイレゾ リッピング

$
0
0
 定年退職してから、はやくも1年が経過した。
この間のオーディオへの取り組みは、高橋ドクターが開発されたタイムアライメントの可視化ソフト「輪郭」との出会いで、時間軸のずれを可視化することによって、より精緻な遅延時間調整ができるようになり、さらなる音楽再生レベルの向上を図ると共に、音源は本格的なネットワーク・ハイレゾ環境を構築し、リッピングに専念してきた。
増えてゆくCDをミュージック・サーバーにリッピングをして、CD媒体はオークションで欲しい人に譲っていくことで、ゆくゆくはオーディオルームからCDラックをなくしたいと思っているが、随分時間を要する作業であることとSACD音源の移行が課題である。
 
一方、2千枚を超えるであろうLPの取り扱いは、今まで手つかずの状況であったが、先日開催されたイベント「大阪サウンドコレクション」でレコード洗浄機の「KLAUDIO」との出会ったことから、一歩道が開け始めた。
特に譲り受けたLPは、オペラをベースにした貴重なアルバムが少なくないのであるが、湿度の高い部屋に長期間保管されていたこともあって、カビに汚染されており、一見ではあまり汚れは目立たないのであるが、プレーヤーで演奏をしてみると、ひどいパチパチノイズで聴くに堪えない状態なのである。
 
友人が所有する高価なレコード洗浄機「ハンル」で洗浄してもらうと、ノイズがほとんどなくなるだけでなく、まるで別物かと思うくらいに音楽がよみがえってくるのである。
そんなこともあって、退職後の時間に任せて、何らかの方法で1枚ずつ洗浄をしてゆくしかないと思っていた。
レコードの洗浄については、いくつかの方法があるが、「ハルン」のように専用の洗浄液を使うバキューム方式と「KLAUDIO」のように超音波で水洗浄、さらにブラシを併用する方式もある。
以前、極細のブラシを使って何枚か洗浄をしたことがあるが、かなりのところまで汚れが取れ、音楽もよみがえるのであるが、なんせ手間がかかり、3千枚近いレコードの洗浄作業を考えると思案に暮れていた。
 
そんな中で米国製の「KLAUDIO」を1週間借りられるとのことで、デモ機の貸し出し予約をしていたが、先日送られてきたので、早速レコードの洗浄をしてみた。
イメージ 1
 
 カビに汚染されたLPが、超音波のみで完全によみがえるのか疑心暗鬼であったが、試してみると、高出力超音波の効果で、以前ブラシを使って洗浄したよりもカビも取れ、サウンドも見事によみがえった。
 クリーニング作業中の騒音は予想以上に大きく、乾燥時は74dBとそばに置いて作業をすると相当にうるさく感じると思うが、何と言っても洗浄から乾燥までノータッチでクリーニングをしてくれるので大変楽である。
しかもクリーニングに必要な専用液は不要で、家庭の浄水器の水だけで洗浄できるので、洗浄コストも電気代だけで済むことも大きなメリットであるが、税込75万円と高価な機器であるのが悩ましいところである。
 
 クリーニングを済ませたお気に入りのLPを聴いてみると、アナログならではのすばらしい音楽が再現される。
 普段レコードは、ほとんど聴かないのであるが、レコードがメインであった時代からシステムの音楽再生能力もかなり進化していることもあってか、こんなにすばらしいアルバムだったのかと感心させられた。
 
そんなこともあって、お気に入りのアルバムのこの感動を何とか残そうと、アナログ出力から96kHz24bitでデジタルレーコーディングし、LPジャケット・イメージもスキャンできるスキャナでスキャンし、FLAC形式に変換したファイルにタグ付けをした。
イメージ 2

イメージ 4

レコーディングはWAV形式だったので、「MediaMonky」でFLACに変換して、曲間も分割・曲名も打ち込んで、早速試聴したのだが、力がなく冴えないサウンドで、レコード演奏時の感動が感じられないのであった。
 デジタル化する過程で何かが変わってしまったのかと調べるべく、DDコンバーターの表示を見るとサンプリング周波数が44.1Hzになってしまっていたのである。
原因を調べると「MediaMonky」で、WAVからFLACへのファイル変換をすると、変換後のファイルのサンプリング周波数が44.1Hzになってしまうことが判明した。
再度、改めて、音楽データ録音・編集ソフト「Sound iT!」側で形式変換をして編集し試聴をすると、見事にアナログ演奏の感動が蘇ってくれたのである。

イメージ 3
 
アナログ出力を録音するのだから、当然の結果といえばそれまでだが、単に高域が伸びているという感じではなく、レコードからカートリッジを介して取り出された音源なので、最近のマスターテープからハイレゾサンプリングしたサウンドとは違い、アナログ再生時のサウンドそのものが再現されるのが魅力である。
 
今回のLPハイレゾ・リッピングで感じたことは、音源にもよるであろうが、やはりCDレベルの44.1kHzでは、本来アルバムの魅力を大きく損ねているということである。
CDの音源しか聴いていなければ解らないだろうが、このような比較をするとCDの限界を思い知らされたように思う。
それゆえ、昨今のアナログの魅力に取りつかれている人も少なくないことも納得せざるを得ないが、レコードの取扱いは、やはり面倒である。レコードの長期保管の問題や、プレーヤー・カートリッジの扱いも含め面倒である。
 
この面倒さも含めアナログが好きな人は別として、小生はその人種ではないので、今後、お気に入りのLPをハイレゾ音源に変換し、ミュージック・サーバーに保存して、必要な方に譲っていくことにしたい。
 
小生の子供達は、オーディオには興味をもっていないので、将来、大量のLPCDの存在がお荷物にならぬよう、今のうちに趣味のオーディオの終活もかねて、楽しみながら整理を続けていこうと思っている。

四国行脚記

$
0
0
今から6年前、四国在住のオーディオファン宅を数軒訪問する計画をしていながら、家の事情で断念した経緯があった。
今般、大阪の高圧真空管さんからの誘いもあって、宮崎県から関西を訪問された山本山さんも同行して、予てから訪問をしてみたいと思っていた、愛媛のメンバー「美音倶楽部」「宮崎低音倶楽部」メンバー宅を中心に5か所を訪問させていただいた。
イメージ 1
 
愛媛に到着後最初の訪問先は、高圧真空管さんが、改造版デジチャンの製作依頼されていた豊島邸である。氏のシステムは、最低域はEVの46cmウーファーで、ツィータはエールの1750DEで構成された6Wayのシステムを聴かせていただいた。
6Wayでありながら、実にまとまったサウンドにチューニングされていた。
 
イメージ 2
 デジチャンは、自ら出力段を改良されたBEHRINGER / DCX24962台使い、その先に様々なユニットやアンプの選別を試行錯誤された末に、今日のシステムに至っているとのことであった。
マルチの繋がりに全く違和感がなかったので、「マルチのチューニングは耳でされているのですか?」との問いかけに「まさか!6Wayのチューニングは耳だけでは無理ですよ」との切り返し、思わずそのチューニング方法の話題になった。
 
イメージ 3
もう10年以上前も前になるが、タイムアライメントの調整に関する実測テクニックを発信されているサイトがあり、随分参考にさせていただいたことがあったが、何とそのサイトの発信者が豊島氏であることが判明したのである。
まさにタイムアライメンの重要性と実測方法を発信されていた先駆者ともいうべき方で、聴かせていただいたシステムの繋がりがスムーズなことにも大いに納得をするとともに、今回の訪問も何か因縁めいたものを感じた。
氏はタイムアライメントだけではなく、自らの電子工学のテクニックを使ってデジチャンを改造するなど、細部にこだわって鮮度の高い音作りをされており、「音は人なり」というが、その真剣なスタンスが見事にサウンドにも反映されていた。
 
初日の宿泊先へ向かう途中に、オーディオギャラリー「楽人」を訪問した。アルテック416-16BダブルのコンクリートエンクロージャーをベースにYL、エールのホーンで構成されたシステムである。
イメージ 4

イメージ 5
YLの折り曲げロングホーンは、以前、拙宅でも使ったことがあったが、やはりそのときの独特の音色を感じさせる個性的なサウンドであった。
 
翌日は、9:00早々に、katyan邸を訪問させていただいた。
katyanさんは、随分前からブログで情報発信をされていて、小生より年輩なのだが、かなり先進的な取り組みをされており、いつも楽しく参考にさせていただくことの多いサイトとして、よく拝見させていただいてきたこともあり、いつかは、一度訪問させていただきたいと思っていたオーディオファイルのお一人であった。
イメージ 6

訪問後、一通りのジャンルを聴かせていただいたが、ホーンシステムでありながら、クセのない素直なサウンドであった。
以前は、デジタル出力に改造されたデジチャン「BEHRINGER / DCX2496」とデジアンを使われていたが、訪問時には、アナログ出力のチャンデバと真空管アンプに主力が移っているようであった。
ハイレゾ・ソースの生々しい演奏を聴かせていただいた後、少し前に導入された4Kプロジェクターによる「マスター&コマンダー」のBlurayのサラウンド上映に入り、大砲の攻撃音を再生され、さすが「低音倶楽部」と思いきや、設定が間違っていて、こんなもんじゃないとのことで、再度の仕切り直しに入り2度目は、katyanさんの狙い通り、部屋全体が震える大砲音の洗礼を浴びた。
イメージ 7

訪問メンバー全員、ご家族と近隣への音漏れを気遣いながら、次の訪問先へ見送りを受けた。
 
4件目は「美音倶楽部」の主催者ともいうべきRYOさん宅を訪問させていただいた。
アルテックのA8を使っておられるのであるが、小生は初めて聴くスピーカーであった。
イメージ 8

 2Wayで、容積もそう大きくないスピーカーであるが、サウンドは極めてパッシブで、高域についてもツィータの必要性を感じさせない位に充分に伸びた、RYOさんの目指すサウンドにチューニングされていた。
小生もビシッと決まるパッシブなサウンドが好みで、持参したそのジャンルのソースの聴かせていただいたが、まさにその聴きどころを見事に鳴らし切ったのにはちょっと驚かされた。
イメージ 9

 決して広くはないオーディオルームなのであるが、Foober2000がインストールされているPCの動作環境からDSDネイティブ再生の可能なオーダー製DACの導入、機器間のケーブルの選択など、部屋とスピーカーとの距離も含めたシステム・トータルで、まさに狙い通りのHigh-Qualityサウンドに仕上がっている。
 
 最後に訪問させていただいたのが、エクスクルーシヴ邸であった。30年前に枕木をベースにご自身で建築されたオーディオハウスに、とんでもない規模のシステムを構築されていた。
 オーディオ歴は、他のメンバーに比べ浅いようであるが、近年になって急速に増殖して、現在のシステムになったようである。
 
イメージ 10

イメージ 11

写真のように天井に設置された78cmのEVのウーファをはじめ、38cmウーファーの数が半端ではない。
イメージ 12

 アンプ類は、2階に設置されているが、何台のアンプでドライブされているのか正確な台数が分からないくらいの機器が稼働している。
 アナログプレーヤーは、3連式の糸ドライブのターンテーブルに50cmはあろうかと思われる木製とステンレスパイプ製の超ロングアームを自作されていた。
イメージ 13

見ているだけも楽しくなるようなアナログプレーヤーであるが、サウンドの安定感には素晴らしいものがある。なかなか、アームまで自作されている例は、見たことがなかったが、工業高校の技術指導のキャリヤを生かして、様々な機器を自作されている。
 サウンドは、相当な振動板面積をもつシステムであることから、演奏中には飲んでいたペットボトルや体を通して伝わってくる振動エネルギーは相当なものであるが、決してうるさくない。
イメージ 14

 この規模で、繊細なサウンドの表現は難しいと思うが、エクスクルーシヴさんは、その両立を目指されているような気配で、更なる増殖が見込まれる様子である。
いずれにせよこの部屋は、いかなるオーディオマニアでも興味津々の館であることは間違いない。
 
今回訪問させていただいたメンバーに共通することは、いずれも真摯にオーディオを探求し、ハイレゾやPCオーディがスタンダードな再生環境となっているなど、新しい技術も積極的に取り入れられ、音が良くなることは何でも取り込むという、半端ではない熱心な姿勢の持ち主である。


最後に、訪問を快く迎えてくださった「愛媛低音倶楽部」の皆様に感謝申し上げます。

再び Scanspeark

$
0
0
  再びScanspeakのユニットを試すことにした。
ScanSpeakについては、3のクラスの異なるユニットがあり、以前は「REVELATOR」という中級クラスのツィータ「R2904/700009」とミッドウーファ「18W/4531G00」を使って試聴をしてかなりレベルの高いサウンドを聴くことができた。
 
そもそもScanspeakのユニットを試すきっかけになったのは、ソナスファーベルのトップエンドの「ザ・ソナスファーベル」に同社のユニットが採用されていたことが試してみようと思ったのがきっかけであった。
 
今回、再びScanspeakユニットを試すきっかけとなったのが、昨年のハイエンドショー大阪でウィルソンオーディオのSasha2を試聴した時、そのサウンドに魅了されて、しばらく席を離れなかったのがきっかけであった。
 以前のウィルソンオーディオ「システム7」に採用されていたツィータはFocal製のジュラルミン製逆ドームが採用されており、次期モデルには当然にベリリューム・ツィータが採用されるとの憶測があったもの、一転してScanspearkのシルクドームのソフトドーム・ツイータが採用されたのであった。
 
 Sasha2を初めて聴いたとき、金属製の振動板ではどうしても金属固有の輝きが乗ってしまうが、極めてナチュラルにもかかわらず、金属製振動板でないと再生が難しいと思われる管楽器のエネルギー感が見事に表現されたからであった。
 ソフトドーム・ツィータは通常、クロスオーバーは2,500Hz以上で使われるが、Sasha2に採用されているユニットは、特性上は900Hz程度から使える特性を持っている。
 このユニット情報をもとにScanspeakのサイトから選択したのが、ツィータ「D3004/6620000」とネオジュームマグネットを採用したミッドバス「18WU/4741T00」である。ミッドバスの口径を15cmにするか迷ったのであるが、今後ツィータとの間に12cmのユニットを配置する4Way仕様にすることで、今回も18cmのミッドバスにすることにした。
イメージ 1
 
 以前の試聴用に使っていたバッフル板がそのまま使えたので、ユニットが到着後、試聴を開始した。
ミッドバスとツィータのクロスオーバーは、思い切って1,500Hzから開始したが、しばらくの試聴を経て2,500Hzに変更した。
 
 そのサウンドは期待通りで、シルクドームからどうしてこのようなナチュラルな高音域が再生されるのだろうと感心するくらいの透明度の高いサウンドを聴かせてくれる。
ミッドバスも以前のユニットからコーン紙の形状も変わり、マグネットもネオジュームになったこともあって、以前ユニットでは中低音にもたつきを感じる向きもあったが、今回のユニット力強い中低域を再生してくれる。
 現在、まさにSasha2で魅了されたサウンドにダブルウーファーならではの低音の深みが加わったサウンドを堪能している。
イメージ 2
 
 もうそろそろユニットの試聴は終了したいところだが、同時期に高価ではあったが、Scanspearkのベリリューム・ツィータ「D3004/664000」を調達したので、今後、しばらく落ち着いてから試聴・評価をしたいと思っている。

「DIASOULi」の再評価

$
0
0
  三菱ダイアトーンに在籍された寺本氏が起業された「DIASOUL」というオーディオ・ブランドの第一作目のスピーカーとなる「DIASOUL」国内初の発表会に参加したのは、今年の5月であった。
 
 友人のTKさんから教えられるまで、このブランドの製品発表会については全く知らなかったが、ダイアトーンの技術者が立ち上げられたメーカーであることや、アメリカのCESで「Best Sound Show」を獲得したとの評価に加え、何か理由がありそうなユニークなスピーカーの外観もあって、期待してイベントに参加したのであった。
 
 開催会場は京都からは、ちょっと交通の便の悪い大阪の岸和田にある「むくの木ホール」という100人程度が入れる、結構広い個人ホールであったが、電車で2時間をかけての参加であった。
 
 訪問には結構な労力をかけての訪問であったにもかかわらず、その期待は大きく裏切られる結果となったことは、この5月に掲載したブログで報告したとおりであるが、開催ホールのサイズや音響空間とのミスマッチを感じたことや、スピーカー単体のユニット構成からしても、かなりのポテンシャルはあるだろうとの思いから、もっと小規模な会場で試聴会が開催されるときには、再度試聴をしてみたいと思っていた。
 
 そんな小生の意向と石井伸一郎氏の仲介もあって、寺本氏のご自宅で「DIASOUL」の試聴をさせていただく機会を得た。
イメージ 2


イメージ 6

イメージ 5
 
 シルバーウィークの最中もあって交通渋滞に巻き込まれながら、石井伸一郎氏も含めてつわものばかりの5名で、神戸にある寺本氏のご自宅を訪問させていただいた。
寺本氏開発の「DIASOUL」は、写真のように専用のオーディオルームではない18畳程度の一般的な戸建て住宅のリビングルームに特別な設置環境も施されることなく設置されていた。
イメージ 1
 
到着後早速に寺本氏が用意されたアルバムを何枚も聴かせていただいた。
 
 小生も様々な試聴会で多くのスピーカーを聴いてきた経験や、自らも様々なSPユニット使ってマルチアンプで鳴らし込んでいるので、使われているユニットの振動板の素材やユニットの構成から判断して、概ね出てくるサウンドのレベルは予想していたが、結果はその推測を大きく超えていた。
 
 ユニットの構成上、ハイスピードなサウンドであろうと予想はしていたが、予想以上にハイスピードなサウンドで、一般的なベールを剥がしたようなハイスピード感の印象とはレベルが違うサウンドなのである。
 
 一般的なハイスピード感とは、どちらかというと中高音で感じる向きがあるが、全帯域の反応スピードが極めて高いと感じた。
そのために、スピーカーが鳴っているという感覚を越えたリアルなサウンドが目の前に奥行き感も伴って展開されたのには驚いた。今までには聴いた記憶のない高次元なサウンドであるといってよい。
 
次々と寺本氏が用意されたCDの演奏に聴き入っているうちに、今までに聴いたことのないこの印象は、どこから感じるのだろうと、寺本氏に各ユニットのクロスオーバー周波数について尋ねたところ、ウーファーとミッドバス間は、80Hzとの答えが返って来たのには予想外であった。
ウーファーの口径が25cmで、ミッドの口径は16cmという構成からすると、一般的な設定値は常識的には低くても200~300Hzに設定するところであるであろう。
300W×2のD級アンプでドライブされるダブルウーファーの上限は80Hzに設定されており、十数リットルエンクロージャーに収まられた16cmミッドレンジを80Hz以上で使うためには、音源から専用のコントローラーを介してアンプに接続をしているが、このコントローラーにて寺本氏の耳で聴感上の最適化が図られているものと思われる。

 
左右対向に配置されたウーファーは物理的に連結されたアンプ内蔵のハイスピードなサブウーファーと見做しても良く、重低音を再生するために高出力のD級アンプとDSPで低域をブーストアップされているようであるが、決してブーミーな印象は感じさせない。
評論家の麻倉怜士氏も「恐ろしくハイスピードな低音」との感想を述べられているが全く同感である。
 
このユニット構成とマルチアンプのドライブ手法は、オーディオマシーナの「Pure System」が採用して、日本上陸を果たしたが、同じような構成と見て良いだろう。
DIASOUL」は、さらにコントローラーで周波数分割と周波数特性の補正をしているとのことなので、この辺にも何らかの秘訣があるのかもしれないが、詳細な補正内容は不明である。
イメージ 3
 
一方、ツィータはダイアトーンが開発・採用してきた、ボロン振動板を球体に複数個配置した独特の形状になっているが、ほぼミッドバスの口径に合わせて4個配置されていることが、高域のエネルギーが一点集中することなく、ミッドと一体感をもって再生される。
この寺本氏が命名された「パワード球面波」の効果は、クリフォードブラウンのトランペットを聴いたときに目の前にトランペットの開口部があるかごとくの存在感は圧巻であった。
イメージ 4
 
小生は38cmダブルウーファーにこだわってきて、最近は比較的小口径なウーファーで低音のハイスピード化を図るケース多くなってきたので、ある時期、低音再生をサブウーファーにしたマルチアンプ方式の試行を考えたことがあるが、まさにそのアプローチを最近のデジタル技術も使って高次元でまとめ上げた3Wayシステムともいえる。このアプローチを発展させるとLINNが提唱する「EXAKT」に通じるのであろう。
 
ついつい、永年の習性で技術的な側面からシステムを分析してしまうきらいがあるが、このスピーカーシステムの外観が極めてユニークであることが、デザインにこだわるオーディオファイルの好みが大きく分かれる点が玉にキズだが、音楽再生に込められた寺本氏入魂の成果が見事にサウンドに結実しているスピーカー・システムであることは間違いない。

フェーダー再構築

$
0
0
  LPレコードのリッピングをアキュフェーズのフォノイコ付プリアンプ(C-2810)経由でデジタルレコーダー(TASCAM DA-3000)でレコーディングをしてきたが、どうしてもプリアンプのノイズ成分が音の鮮度を下げることから、極力プリアンプの出力を上げて、レコーダー側の入力レベルを下げるなどして相対的な録音時のS/N比を確保して録音してきた。

しかし、プリアンプは接続機器のインピーダンス整合の役目もあるものの所詮、セレクターと音量制御が主機能なので、自作のフェーダーを経由して試したところ、かなり高い鮮度で録音ができた。
これに気を良くして、別途フォノイコ専用アンプを調達してフェーダーを経由して録音することにした。
 
カートリッジは、永年デノンのDL-103Rを使ってきたが、適正針圧が2.5gであるにもかかわらず、GT-2000付属のアームはインサイドフォース・キャンセラーが2gまでなので、いつもインサイドフォースのキャンセル不足が気になっていたこともあったので、この際カートリッジとフォノイコライザーを新規にステサンでの評価が高い、フェーズメーションのカートリッジ「PP-300」とフォノイコライザーは「EA-300」にした。アナログ関連機器の更新は10年ぶりくらいになるが、フォノイコの出力をフェーダー経由にすることで、狙い通りにかなり音の鮮度を確保することができた。これは何といってもプリアンプをパイパスすることでS/N比を稼げたことが大きな理由であろう。
イメージ 1
 
イメージ 2

イメージ 3

この際フェーダーもフェーズメーションのパッシブ・アッテネーター「CM-3」で試してみようと調達したが、この「CM-3」は、マッチングトランスを内蔵していてインピーダンス変動がないことも期待したのだが、残念ながらサウンド的には、自作のフェーダーにも及ばない冴えない結果であった。
イメージ 6
 
そこで再度、ハイエンドなアッテネーターを自作すべく検討をしていたところに、セイデン製で抵抗が最高ランクの評価を得ている「DALE NS-2B 3W」の巻き線抵抗で作成されたアッテネーターを入手できたので「CM-3」のケースだけ活用して、中身を全てセイデン製アッテネーターとロータリースィッチを使って新たにフェーダーを自作することにした。
イメージ 4


イメージ 5

配線ケーブルもベルデンの8412に統一して組み替えたところ、東京光音電波の鮮度に加え、アキュフェーズのプリアンプを凌ぐ重低音まで濁りのない、鮮度の高いサウンドを得ることができた。
 
フェーダーも色々と試してきたなかで、プリアンプと比較して高い鮮度は得られるものの、比較的に低音不足の淡白なサウンドになるきらいがあったが、この「DALE NS-2B 3W」抵抗のアッテネーターを組み込んだフェーダーは、重低音まで全域にわたって鮮度の高いサウンドが得られた結果には感動した。

高い鮮度に加え、高いS/N比のサウンドを聴くと、もうプリアンプは不要と断言しても良いサウンドなのであるが、適正音量にこだわる小生にはリモコンで音量が変えられないのが玉にキズである。

大阪ハイエンドオーディオショウ2015

$
0
0
  恒例の大阪ハイエンドオーディオショウに行ってきた。
自宅の改装のバタバタで、レポートのタイミングが1月も遅れてしまったのだが、いつもスピーカーの最新モデルを聴くのを楽しみに参加している。
 
今年の最新モデルで注目したスピーカーは、Lumen White-Light AnniversaryMagicoのS-7であった。

Lumen Whiteは随分前にハイエンドオーディオショウで初めてにセラミック振動板のユニットを搭載したスピーカーとして登場し、極めてハイスピードで鮮度の高いサウンドに感動した記憶があるモデルであった。
Lumen Whiteで初めて採用されたセラミック振動板のユニットは、ハイスピードなサウンドであるが故にアメリカのAVALONなど、多くのメーカーに採用されるようになった。
小生も何とかこのユニットを使って拙宅のスピーカー・システムのレベルを上げたいとの思いを強くしたスピーカーでもあった。
 
当時のLumen Whiteは、ハイスピードなサウンドを奏でるものの、ツィータは若干セラミック独特の固有音を感じさせる響きを持っていたように思う。
このメーカーは、創業者の代が変わって新たなスピーカー・システムとしてリニューアルされたのが、このLumen White-Light Anniversaryで、前作と同じくThiel & Partner (Accuton)の最新ユニットを組み込み、そして外観も一回り大きくなり、写真のように見事に洗練されたフォルムのスピーカーとして再登場した。
イメージ 1

価格も600万円台から980万円とトップエンドクラスの価格になった。
 ツィータとウーファは、Cell Conceptと呼ばれるエッジレスの様な構造をもつ最新ユニットが使われている。
 
本機をアクシスのブースで、トータルで4時間くらい聴いたが、一聴してわかるくらいに鮮度が高いサウンドで、低域もトリプルのアルミとセラミックのコンポジット構造のウーファを搭載していることもあって、相当な低域までゆとりをもって伸びており、パイプオルガンの重低音再生もスリムなエンクロージャーであるにもかかわらず、圧巻ともいえる量感を伴なうものであった。
イメージ 2
 
小生もThiel & Partner (Accuton)ユニットを使ってきたこともあって、同社がCell Conceptと称する最新ユニットを発表したことは知っていたので、そのユニットの実力を目の当たりにできて大変参考になったし、機会があればこの最新ユニットも試したいものである。
 
もう一つシステムであるMagicoのS7であるが、本機はまだ正式リリース前の製品で、Magicoファンには話題となっていたM-Projectの設計で得られた最新技術のユニットを搭載したSシリーズ最大のトップエンド・スピーカーである。
イメージ 3

小生のMagicoのスピーカーに対する印象は、大変鮮度の高いサウンドを聴かせるのであるが、永年38cmダブルウーファの量感豊かな低音を常時聴いているせいか、どうしても低域の量感不足を感じてきた。
本来、強固な密閉型のエンクロージャーが、低音再生には特性的には良いと評価されており、次期エンクロージャーには密閉型を採用しようか否か迷ってきた中で、Magicoの密閉型のサウンドも参考にしてきた。
しかしMagicoの低音は、小生好みの低音ではなかったのであるが、このS7はエンクロージャーの容積といい、ウーファーの振動板面積の大きさといい、充分に低域の量感が期待できるのではないかとの思いもあって試聴の機会を期待していた。
 
試聴の印象は、やはり予想通りで、このサイズと振動板面積を持ってすれば、密閉型とはいえども今まで聴いてきたMagicoの低域の量感とは比較にならない程充分なレベルにあった。
しかし一方で、Magico特有の鮮度の高さは、試聴環境のせいもあるのか、残念ながら感じられなかった。
イメージ 4
 
スピーカー・システムにおける音の鮮明度は、低域の量感が少ないスピーカーほど、相対的に再生しやすいが、低音の量感を上げていくと相対的に鮮度が下がった印象になりやすい。
その意味で、Magicoのスピーカーの鮮度は、密閉型による比較的スリムな低域のバランスによって受けてきた鮮度の印象なのか知れない。
このS7のツィータは、ベリリウムにダイアモンド・コーティングをした最新モデルで、ミッドレンジも最新素材の振動板を使ったモデルを搭載しているが、Lumen White-Light Aniversaryのようなハイスピードな印象は感じなかった。
 
その意味では、鮮度と透明度の高いMagicoのサウンドが、低音の量感が上がってくると相対的に影をひそめてくるという現象はよくある傾向で、改めてスピーカーにおけるサウンドバランスの落としどころの難しさを痛感させられた。
 
同日に開催されていた国内メーカーを主とした「オーディオ・セッション」を訪問した後、Audio Amigo Kyotoの磯島さんのお誘いもあって、サウンドインポートの試聴室を訪れた。

その試聴室には、オランダのカーマ(Kahma)が置かれていた。小生がカーマのスピーカーを知ったのは、いまから7年ほど前のハイエンドオーディオショウに遡るが、当時のモデルはWilsonAudioSysytem7のミッドレンジをAccutonのセラミック振動板のユニットに置きかえたモデルで、反応の早いサウンドを奏でていたのを思い出した。
 
試聴させていただいた環境は、30畳程度もあるゆとりのある広さで、特別な吸音マットで心地よい響きにチューニングされた試聴室に、カーマのdB9という3Wayのモデルが置かれていた。
搭載ユニットはAccutonのセラミックから自社開発したナノカーボンファイバーを使った、今までに見たことのないグラスのような輝きの振動板を搭載したモデルで、Grand Prix Audio300万円もするレコード・プレーヤーや数百万円のZandenの真空管アンプでドライブされた構成で試聴させていただいた。
イメージ 5

イメージ 6

イメージ 7
 
7年前に聴いた、いかにもハイエンドスピーカーという印象を越えて、クセの感じられないナチュラルな印象で、持参した試聴アルバムの聴きどころをしっかりと聴かせてくれた。
システム構成の完成度の高さもさることながら、試聴室の響きが心地よくチューニングされていて、何を持ち込んでもよく聴こえそうな、今までに感じたこともない響きであった。
 オーディオショップの試聴室でここまで完成された試聴室としては、特筆すべき環境であるが、ここで採用されている吸音マットの存在がその響きをチューニングしているとのことであった。
 大阪弁の日本語を話すエリックさんが気さくに対応してくれるので、来阪された機会にぜひ訪問・試聴をお勧めしたい。

オーディオルームのレイアウト変更

$
0
0
  自宅の補修を機会にオーディオルームのレイアウト変更をした。
 
拙宅のオーディオルームは、ダイケンの音響部材でオーディオルームに適した残響時間になるように施工されている。
京都のウナギの寝床のという典型的な間口の狭い奥行きの長い形状の土地で、近隣との距離も人がやっと通れる位の間隔しかないこともあって、近隣への防音を徹底すべくRCの打ちっぱなしの構造で、窓もない完全防音仕様の部屋になっている。
 
オーディオルームは、定在波の弊害を少なくするためには天井高を確保したいところであったが、間取りの事情と防音・防振部材の厚みもあって、天井高もかなり低い部屋になってしまったが、オーディオ専用の部屋を確保出来ただけでもあり難いと思っている。
このような仕様の為、断熱効果が極めて高いので、あまり外気温も気にせずに音楽鑑賞できるのは、ありがたい環境だと思っている。
 
オーディオルームの縦横サイズは概ね、縦6m、横4mの縦長の形状で、建設以来12年間、縦長配置で使ってきたが、以前から横長のスピーカー配置の方が定在波の弊害が少なく、音もいいという話は、様々なオーディオルームに見識のある石井伸一郎氏からも聞かされており、かねがね試さない手はないと言われていた。
 
 この度、補修に伴うオーディルームのエアコンの入れ替えによって、スクリーンも含む移動が必要になったことから、この機会をとらえて横長配置に向け、ようやく重い腰を上げることにした。
 
 そんな経緯もあって、ようやく横長へのレイアウト配置を試行することにしたのだが、予想通り機材の移動のみではなく、ケーブルの変更などの作業が大変で、結果が良くなかった場合のことも考えて、いつでも元に戻せるように最小限の環境変更を行って試聴をはじめた。
 スピーカーの左右間隔は、従来の1.5倍近く広げた配置となったことから、音場もかなり広がるであろうと期待していたのだが、結果はむしろ逆で、以前の配置より左右の音の広がりが狭まった予想外の音場であった。
イメージ 1
 
 なぜこのような音場になるのかしばらく考えた結果、従来はスピーカーの両サイドの至近距離が壁で、その壁からの反射音によって、スピーカーの配置間隔以上に音場が広がっていたことを思い出した。
これはスピーカーユニットの配置位置より壁側に定位を感じることが少なくなかったのは、この壁からの反射音による影響で、従来はこの仮想定位による音場の広がりを好ましいと思っていた。
横配置にすることでサイドの壁からの反射音がなくなったことで、音場が狭くなったのである。
 
このことに気がついてから、さらにスピーカーの間隔を広げた。
また、横長配置することで低域における定在波の弊害が改善されると見込んでいたが、そうではなく、スピーカーの内振り角度が大変重要で、アナライザーを使ってリスニングポイントにおいて低域のうねりが少なくなる様にスピーカーの内振り角度を調整した。
再度、周波数特性など各音域のバランスを調整して試聴をしたところ、驚くほどワイドな臨場感と定位が向上し、奥行き感も向上した。
この変化は、オーディオ装置の音という印象が、生演奏に近い臨場感・音源の存在感が感じられるようになったのである。
しばらく様々なアルバムを試聴したが、もう従来の縦配置には戻せない程、臨場感がよく、音楽に浸れるレベルが格段に良くなってきたので、本格的に横長配置に固定することにした。
イメージ 2

 横長配置を固定化するうえで、もう一つの問題は、映像も踏めたサラウンド環境の再構築であった。
幸いスピーカーの間隔が広がったことから、スピーカーの後方にスクリーンを設置できるようになったので、機材のラックをローボードに変更して何とか従来通り、100インチの投影サイズを確保することができた。
イメージ 3

 
横配置にレイアウトを変更してから、およそ2か月近くになるが、同じ部屋の中でのスピーカー配置の変更なのであるが、これほど大きな聴感上に変化があるとは思ってもいなかった。
この音場の変化は、スピーカー横の壁からの反射音や、背面からの反射音が軽減されたことにより、スピーカー本来が持っているサウンド・バランスの良さが、そのまま耳に届くようになった結果だと思われる。
今まで幾度となく試してきたスピーカーユニットの交換による音のバランスの変化とは異なり、スピーカー本来が放つサウンドが、部屋の不要な反射によって、いかに阻害されていたかということであるが、今まで様々計測してきた音響アナライザーでは周波数特性重視で、この反射音に関する要素を計測することはなかった。
 
今となっては、もっと早い時期にレイアウト変更を試しておればよかったと思う位であるが、今後もオーディオルームにおける反射音の弊害にも音響アナライザーを活用するなどして、部屋の反射音の影響に関する実測テクニックについても様々な試行をしていきたいと思っている。
 
オーディオファイルにとって、このような音の変化を自分なりに時間をかけて洗練していくことが、この趣味の醍醐味である要素も大きいが、このアプローチを少しでも音響的に可視化してゆくことも重要なことだと思っている。
 
今年も、本日を残すのみになったが、また来年も少しでも新たな次元のサウンドを求めて試行を続けていきたいと思っいる。

アルバムアートへのこだわり

$
0
0
  本格的なネットワーク・オーディオ環境に移行してから概ね1年が経過した。
 
普段の音楽鑑賞における音源も8割がNAS経由になり、新たな音源の調達も6割程度がe-onkyomoraなどのハイレゾ音源サイトからダウンロードによる音源になってきた。
所有するCDの移行に加え、新たにCDを購入しても、リッピングを終えればオークションで売却して、手元からは徐々にCDが姿を消してきている状況であるが、当初に予想していたNASへの音源移行ペースからすると、随分と進捗は遅れている。
 
移行が予定より遅れている理由は、リッピング作業におけるアルバムアートの取り込み作業が思った以上に手間がかかることと、リッピング・ソフトによるトラブル解決に相当時間がかかったことによる。
 
単にCDからリッピングするだけなら短時間で終わるのだが、永年、丸い円盤の媒体とともに歩んできたオーディオが、ディスプレイに表示されたファイル名やタイトル名の文字列のみになってしまっては、あまりにも味気ないのと、アルバムアートでレコードやCDを選んで音楽を聴いてきた永い歴史もあるので、ネットワーク・オーディオという新しい再生環境においてもアルバムアートをベースにしたアルバム管理を徹底すべく取り組んできた。
その為に、音源のデータ形式もアルバム情報をメタデータとして取り込める「FLAC」形式に限定してリッピング作業を行ってきた。
 
アルバム情報については、将来のマルチタグも想定して、ジャケットの表紙だけではなく、ジャケット裏のイメージやブックの中のお気に入りイメージも含めて取り込んでいることや、リッピング作業後にはすべての曲にアルバムアートが表示されるか確認作業をしていることに時間を要しているのである。
とりわけ時間を要しているのは、アルバムによっては、写真の様にアルバムアートが部分的に表示されないというトラブルの解消には相当の時間を要することが少なくない。
イメージ 1

イメージ 2
 

アルバムアートによるアルバム管理を徹底している手前、演奏時にアルバムアートが表示されない音源を放置すると、アルバム管理がなし崩しになるので、アルバムアートが表示されない原因を徹底して究明することにした。
 
 アルバムアートなどのメタデータの組み込みは、リッピング・ソフトの一つである「xrecordeⅡ」で確認する限り、正常に組み込まれているのであるが、「Kinsky」「TwonkyBearm」などの表示するソフト側で何らかの原因で表示ができない状態になっていることまでは、はっきりしてきたがものの、未だに決定的な原因は不明である。
イメージ 3

しかし概ね、メタデータの中に「Linux環境」で認識できない文字列が含まれていることが原因の様である。
一般的にいわれている‘ ? > / @ #」のキャラクターだけではないドイツ語やロシヤ語に含まれるアルファベットにはないキャラクターも原因しているので、丹念にアルバム名やトラック名に記録されているアルファベットにないキャラクターを変更して、今のところ何とかすべてのリッピング音源の全てにアルバムアートを表示できる状態になっている。
 
 ハイレゾ時代に入ってからは、音源のタイプによって再生環境を変える必要があるので、以前は再生装置を切り替えながら聴いていたが、ネットワーク・オーディオ環境にしてからは、音源をNASにさえ置いておけば、サンプリング周波数や、ステレオやサラウンドなどのチャンネル数の違いも越えて、まさにネットサーフィンをするごとくに様々なジャンルを気の向くままにタブレットの操作のみで音楽が聴けるのは極めて快適である。
 あとは、音源による音量のバラつきを、音源に組み込んだメタ情報によって自動制御出来れば申し分ないというところであろうか。
 
今後もアルバムアートによるアルバム管理を徹底していきたいと思っているが、 オーディオの世界にもパソコン同様のオープンな環境ゆえの責任の所在がはっきりしないトラブルが少なくない状況と付き合っていかなければならない場面が少なくないのが残念である。

最新スピーカー試聴記

$
0
0
 ブログの更新も随分と間隔が開いてしまった。


時間がたっぷりあるはずなのだが、なかなかブログの更新がままならないというか、ブログに掲載しようと思う感動的な事が少なくなったのかもしれない。

前回掲載したネットワーク・オーディオの不具合は解消し、アルバム・アートも高精細なジャケット・イメージが表示も出来るようになり、
イメージ 1

イメージ 2

音源の聴き方も今まで異なり、まさにネットサーフィンのごとく気の向くままに様々なジャンルの音源を選択して、音楽を楽しむことができるようになった。
 
最近、注目の的になっているB&Wの最新モデル「802D3」とJBLの最新モニタースピーカー「4367WX」を試聴させてもらった。
「B&W802D」については、ハイエンド・スピーカーの定番ともなっていた旧モデルの後継機で、ステサンにもかなりの注目されているモデルであるが、2ヶ店のショップで延べ3時間ほど、試聴をさせていただいた。
イメージ 3
 
旧モデルについても様々なところで、長時間試聴させていただいたが、このクラスにしては、よく良く出来たスピーカーであったが、特に高域については、拙宅で聴いていたThiel&PartnerAccutonダイアモンド・ツィータと比較しても納得のできるではものではなかった。
しかし、新モデルは、一聴してそのレスポンスの良さに加え、そのツィータの響きも旧モデルのちょっとシャリついた響も解消され、各ユニット間の音の繋がりも極めて自然で、極めてトランジェントの高いサウンドを聴かせてくれる。
 
新モデルは、ユニットの改良も含め相当数の改善点を克服したとされているが、唯一変更していないツィータの振動板が、どう聴感上レベルアップされているのか注目して試聴させてもらった。
 
結果、ミッドレンジとの繋がりも極めて自然で、非常に反応の早いサウンドを聴かせてくれる。
旧モデルのミッドとツィータのハウジングは、材質をより強固にして磁気回路も見直したとのことであるが、やはりツィータの振動板は変更されていないとのことである。
 
各店で持ち込んだ様々なジャンルの音源をその音楽的な聴きどころを見事に再現聴かせてくれる。
38cmダブルウーファーを聴きなれた小生の耳には、少々低音の量感の物足りなさと、エージング不足からくる硬さを感じるものの、ステサンの過剰な引き立てを割り引いても、かつてないポテンシャルを持ったスピーカーであるとの一つと言っていい。
再び、新たな世界的なスタンダート・モニターになると思われるが、販売店の販売見込みは予想を下回っているようである。
しかし、未発表の上位モデルである「800」を待っているユーザーが少なくないことも一因かもしれない。
 
一方、JBLの最新モニター・スピーカーとして発表された、「4367WX」は、樹脂製リング振動板による中高音を一つのドライバーユニットとして組み込んでいる。
イメージ 4

イメージ 5
外見からして2Wayに見えるものの、2枚のリング振動板を採用したコアキシャルドライバーを搭載した実質3Wayに近いモニターである。

最近のJBLモニターは、ユニットやネットワークの性能が向上し、歪が少なくなってHi-Fiにはなったものの、逆におとなしいサウンド指向になってきたことが、JBL離れをとめられない結果になっていることも否めない感がある。
そんなJBLファンを引き戻すべく作られたのが、本モニターのドライバーのようである。
本来は、ダイアフラムのエッジに使われていたデュポン製の樹脂をリング振動板に採用したドライバーである。
最新のテクノロジーを使って、往年のJBLのサウンドを再現しようとした狙いは、共感できるサウンドであるが、モニター・スピーカーという冠を与えるには、ちょっとサウンドのバランスが違うように感じるものの、往年のJBLの明るいサウンドを、最新の製品に求める人には、確かに魅力を感じられるサウンドではあるが、JBL伝統の38cmウーファーとホーンの組み合わせモデルの限界を感じさせるのも拭えない感もある。

「Diasoul-i」 3度目の試聴

$
0
0
  先日、ダイアソウルの寺本社長から直々にお電話を頂き、今なら特別な機器構成で試聴できるとのことでお招きを頂いた。

高価なシステムの商談相手にもならない小生に、直々にお声をかけていただいたので、再び神戸の社長宅兼試聴室を訪問させていただいた。
小生のブログで「Diasoul-i」を取り上げるのは、今回で3度目になる。
イメージ 1


ほぼ1年前、国内初のお披露目となる会場での試聴レポートは酷評する結果となったが、これが寺本社長との交流のきっかけになり、この度の試聴会にもつながったと思っている。
 
今回の訪問者は小生一人だったので、OFF会感覚で伺ったのだが、はじめの30分間は、スタッフによる演奏曲目紹介を交えたデモンストレーション形式で、5曲ほど演奏を聴かせていただいた。
少々音量が小さかったこともあってか、前回伺ったときのインパクトには及ばなかった。
 
デモンストレーション演奏が終わって、持参したFLAC形式の試聴音源をDELAに取り込んでいただき、スフォルツァート&クロック(DSP-01 & PMC-01BMA)のネットワークプレーヤをプリアンプ(EAR-912)、パワーアンプ(Spectral DMA-260Series2)という構成で、タブレット版Kinskyによる拙宅と同じ操作環境で、音量調整も小生に任せていただき、持ち込んだ10曲程度の様々なジャンルを試聴させていただいた。
 
実はこの日の訪問に備え、先日レポートしたB&Wの「802D3」にも同じ選曲で試聴をし、訪問当日の午前中は、拙宅のシステムで試聴曲を聴き込んでから訪問をさせていだくという、久方ぶりにかなり気合を入れて比較試聴に臨んだのである。
 
前回訪問時の試聴は、ほとんど寺本社長が用意された楽曲での試聴であったが、今回は小生が持ち込んだ音源による試聴が出来たこともあり、システムのポテンシャルをより鮮明に評価することが出来たと思っている。

今回の試聴結果も素晴らしいサウンドで、先日、試聴レポートしたB&W「802D3」のサウンドが、如何にもオーディオ的なサウンドであったような印象に変わってしまった。
バランス的には、かなり拙宅のサウンドに近く、加えて38cmダブルウーファーの低音をよりスッキリと再生しながら、重低音は充分な音域まで再生するポテンシャルをもっている。
 
B&W「802D3」も、耳につかない非常に反応の早い中高域を聴かせるが、球面型ボロン・ツィータが表現するサウンドは力強くナチュラルである。
また、低音についても「802D3」の公表スペックは、このサイズでは考えられない17Hz~と表記されているが、聴感上はせいぜい40Hz程度にとどまっているように感じるのである。

一方「Diasoul-i」の左右対向配置のウーファーは、個人的には好みではないが、ユニットの反動をキャンセルさせるためには、やむを得ない配置であろう。
クロスオーバーは指向性を感じさせないギリギリの80Hzまで下げられていることもあって、低音の響きも対向配置による違和感は感じられない。
 
小生の経験上、16cm口径のミッドレンジで下限を100Hz以下まで下げると、強力なウーファーとの繋がりが困難になるが、この点の課題解決をNetwork Controller(NW1)が担っていることは間違いなく、寺本社長も認められているところである。
 
「Diasoul-i」は、ユーザーに使いこなしを任された一般的な単体スピーカーではなく、DSPD級パワーアンプを搭載した実質サブ・ウーファーと、NetworkControllerによる音響補正も含めてスピーカーをドライブすることが前提のスピーカーシステムである。
いうまでもなく「Diasoul-i」は、寺本社長がダイアトーン時代のキャリアで培われた技術的なエッセンスの全てを投入された渾身の作品といえるが、彼が「Diasoul-i」を通して世界のオーディオ界に問う理想的なサウンドの次元は、小生が「Advanced4350A」というコンセプトで、独りよがりな我流で構築してきた自作スピーカーに求めてきたサウンドの方向と、再生音楽に対する次元が、ほぼ完全に一致していることを改めて確認出来たことは、小生にとっても非常に大きな自信につながるのになったことは間違いない。
 
今月の11日まで、特別な機器構成で試聴が可能とのことなので、是非、一聴をお勧めしたい。
Viewing all 76 articles
Browse latest View live